普段、プレゼン資料作成ってどのくらいの頻度でありますか?
仕事や社内発表、あるいはクライアント向けの提案などで、プレゼン資料を作る機会は意外と多いですよね。
でも、

資料を作るのが苦手…



スライドの構成を考えるだけで疲れる…
正直こう思う人も多いはず。
じつは、ぼくもそのひとりでした。
文章を書くのは割と好きでも、プレゼン資料では
を意識しないといけないので、思った以上にエネルギーを使います。
しかも、スライドが何十枚にもなってくると、もう頭の中がぐちゃぐちゃになりがち。
そんなときに登場したのがChatGPT。
「これ、プレゼン資料づくりにも使えるんじゃないか?」という発想が湧いてきて、さっそく試してみたんです。
結論から言うと、
ChatGPTはプレゼン資料作成に使える!
けれども、全部がこれだけでは完結しません
実際にどんな使い方をして、どんなところが良かったのか、どんな落とし穴があったのか。
自分の体験を交えながら、詳しく紹介していきます。
ChatGPTをプレゼン資料作成にどう使うの?


「プレゼンの骨組み」をパパッと作りたい!
まず、プレゼン資料を作成するときに一番悩むのが
じゃないでしょうか。ぼくはここに膨大な時間がかかっちゃいます。
タイトルスライドから始まって、背景、問題提起、提案内容、メリット、まとめ…と一連の流れを考えるだけでもけっこう大変です。
ぼくはこれまで、頭の中で



「えーっと、最初に〇〇を言って、そのあとに××を言って…」
と考えたり、Wordで箇条書きしたりしていました。
でも、どうしても大切な要素を入れ忘れたり、全体の流れがいまいち分かりにくくなったりすることが多かった。
そこでChatGPTにプロンプトを打ち込んでみました。こんなイメージ↓
「〇〇というテーマでプレゼンを考えています。背景と課題、解決策、メリット、まとめ、という構成で、それぞれどんな内容を入れるとわかりやすいですか?」
すると、ほぼ一瞬で「プレゼンの骨組み」となる概要を提案してくれました。



背景にはこういう情報を、課題にはこんなデータを、解決策には具体的な事例を入れマショウ
といった感じで、かなり細かく教えてくれたんですね。
これ…想像以上に便利でした。
自分が伝えたいことを大まかにChatGPTに伝えるだけで、スライド単位での流れがざっくりわかるんです。
今まで半日かかっても完成するか微妙だったのが、ものの2,3分で終わっちゃうのは感激です…!
「伝えたい内容を要約」してもらう


プレゼンって、情報量を詰め込みすぎると逆に伝わらないし、かといって大事なポイントを省きすぎると味気ない。
その「ちょうどいい塩梅」を見つけるのも難しいところです。ここでも、ChatGPTは役立ちました。
たとえば、



このブログ記事の内容を、10分くらいのプレゼンで伝えたいんだけど、そのためのポイントを箇条書きで教えて
と言うと、スパッと要約してくれるんです。
意外と、こんなに雑なプロンプトでもちゃんと作動するのがchatGPTのすごいところ。
特に、長い文章やデータをいくつもまとめるときは,、
という工程が必要じゃないですか。
でも手作業でやるとそれなりに時間がかかるし、要約がうまくいかないときもある。ChatGPTに任せると、ベースとなる要約をさくっと出してくれるんですよね。
もちろん細かいニュアンスを調整する必要はありますが、
自分の頭の中を“いったん外に取り出して整頓してくれる”
サービスみたいな感じで、すごく助かります。
ChatGPTで資料作成を楽にするポイント
1) アイデア発想のハードルが下がる
プレゼン資料をゼロから考えるとき、特に苦しいのは「何を、どう伝えればいい?」というアイデアのブレスト部分。
何もないところに何かを生み出すのは、やっぱりエネルギーがいります。
でもChatGPTに、こんなふうにプロンプトを投げてみると、それなりにアイデアを羅列してくれます。
「〇〇業界向けの新サービス提案を考えてます。主な顧客層は〜、提供できる価値は〜。課題感としては〜。こういう条件でプレゼン構成を考えたい。スライドの章立てと、どんな情報を盛り込むべきか提案して」
たとえば、
- 背景(市場規模・成長率などのデータ)
- ターゲット顧客の具体像(ペルソナ)
- 提供サービスの特徴(競合優位性)
- 成功事例や導入メリット
- 導入手順や費用対効果
- 今後の展開やアフターサポート
なんかを盛り込んでもらってもいいと思います。
“プレゼン資料に何を入れればいいか”を最初から100%自分で考えなくてもいいというのは、ストレスを減らし時間を大幅に削減してくれるわけです。
2) 文言のリライトに便利
プレゼン資料に入れる文章って、なるべく端的でキャッチーな方が伝わりやすいじゃないですか。
でも、自分で書いた文章ってどうしてもクドくなったり、まわりくどい表現になったりしがち。
そこでもChatGPTは役立ちます。プロンプトで「この文をもっと短く、わかりやすくしてください」と投げてみると、結構いい感じにリライトしてくれるんですよね。
しかも、プロンプトでは
- カジュアルに
- ビジネスライクに
- 大学の講義っぽく
などのトーンを指定することも可能。ちゃんとそれっぽく仕上げてくれます。
細かい言い回しが気になるときは、何パターンか生成してもらって、そこから良いとこ取りをしてもOK。
自分の表現に“第三者の目”が入る感じなので、クオリティが一段アップした印象がありました。
3) プレゼンの練習用シナリオにも使える
これは少し応用的な使い方です。
プレゼン前に「こんな質問が来そうだな」と想定して、あらかじめQ&Aを用意しておきたいときもありませんか?
なんか変に詰められたくないなというリアルな感情です(笑)
そんなときにChatGPTが質問役になってくれるんです。



このスライドを見て質問しそうなポイントを、3つ挙げてください



導入費用はどのくらい?
既存システムとの連携方法は?
成功事例はどの程度あるの?
などと質問を投げかけてくれる。
それに対して自分で答えを考えてもいいし、「模範解答をちょうだい」みたいにプロンプトを投げるのもアリです。
さらにChatGPTに「じゃあこういう答え方はどう?」と聞いてみる。すると、また別の視点のアドバイスをくれたりもするので、プレゼンのリハーサル的に活用できるわけです。
ChatGPTが資料作成に使えないポイント


ここまで「ChatGPTすごい!」みたいな話ばかりでしたが、やっぱり完璧じゃありません。
特に気をつけたいのが、「具体的なデザインやレイアウトに落とし込む部分」は弱いという点です。
1) スライドのビジュアルを作れるわけではない
大前提として、ChatGPTはテキストベースのAI。
なので、「ここにグラフを入れて、色は青系に統一して、アイコンはこのスタイルで」といったビジュアル面の指示を出しても作ってくれません。
正確には、コードを書いてもらうことはできるのですが、そんなに精度が高くないです。このあたりはclaude3.7のほうが格段に上というのが正直な感想。
2) 情報の正確性・最新性には注意
そして一番大事なポイント。
ChatGPTはデータベースに基づいて回答していますが、その情報がいつのものか、正しいかどうかは必ずしも保証されていません。
特に「最新の統計データ」「具体的な数値」なんかは、自分で検証しないと危ない。
プレゼンで数字を間違えると大変なことになりますからね…。
ぼくが試しに



最近の〇〇業界の市場成長率を教えて
と聞いたとき、



どうぞ、こちらです。ソースもどうぞ
ChatGPTはもっともらしい数字を返してきました。
でも、自分で調べてみたら…



全然違うやないかい!しかもこのソース誰が書いた記事やねん!
微妙に違うデータが出てきて、しかもChatGPTの出した元ソースも信用できない、なんてことも。
このあたりのリスク管理は絶対必要。
ちなみにぼくは、Gensparkを使ってファクトチェックするようにしています。
このあたりは、また別の記事で!
スライド作成に強いイルシルやgammaを使ってみる
ChatGPTはテキストをまとめたり要約したりするのが得意な一方、スライドのデザインやレイアウトに落とし込むのは苦手なところがあります。
そこで気になってくるのが、スライドそのものを自動でデザインしてくれるツールです。最近だと
「イルシル」


「gamma」


といったAIツールが注目されていますね。使用感は全く異なりますが、どちらも
というツールです。
これはまた試して実践記を書こうと思うんですが、
「ChatGPTで文章の骨組みを作る
↓
イルシルやgammaに文言を貼り付けてスライドを生成」
といったワークフローができるようになれば、資料づくりの時短効果はさらに高まりそうだなと。
イルシルやgammaの特徴としては、いくつかのテンプレートやデザイン案を自動で提案してくれるというところ。
ChatGPTでまとめた文章をコピペするだけでも、スライドを一括で生成してくれます。


ただ、
どうしても「色合いが合わない」「アイコンがイメージと違う」みたいな調整は発生しがちなので、初期段階の下ごしらえくらいに考えておくのが良さそうでしょうか。
chatGPT資料作成の使い方と注意点


ぼくなりに感じた「ChatGPTをプレゼンづくりに活かすコツ」を、いくつかまとめてみます。
- まずざっくり質問する:
「こんなテーマでプレゼンしたい」という条件を伝えたうえで、構成例や必要な要素を出してもらう。
大量のアイデアが出てきても、最初は大まかな方向性をつかむのが目的なので、細かく指定しすぎなくてOK。 - リライトや要約指示は具体的に:
「もうちょっとキャッチーに」「堅いトーンで」など、トーンを明示すると仕上がりがわかりやすい。
一度で満足いかなければ、何度かやり取りして修正をかける。 - データの出所は必ず自分で確認:
ChatGPTが示した数値や引用をまるっと信じない。
使うと決めたら必ず自分で“本当にそうなのか”をチェックし、ソースを確認する。 - デザイン部分は割り切って自分でやる:
レイアウトやフォント、色使いは人間のセンスが必要。
ChatGPTに「良いデザインテンプレートを提案して」などと聞いてみるのも面白いですが、最終調整はやっぱり自分の判断。 - プレゼンでの“生のやりとり”は練習しておく:
想定質問やQ&Aの流れはChatGPTが助けてくれます。しかし当然、当日のリアルなやりとりまではフォローできません。
しっかりリハーサルをして、臨機応変に対応できるようにしておくことが大事。
最後に:楽になったけど、課題たくさんの資料作成
AIでプレゼン資料作成ができちゃう。これはものすごく助かることだし夢が膨らみます。
しかし現状だと、セミナーやプレゼンの資料をつくるのはなかなか難しいなというのが本音です。
というのは、多くの会社員や事業主が悩まされている問題だなとあらためて感じました。
個人的には「AIを活用してプレゼン資料づくりの手間が減る」のは大いに歓迎なので、これからも試行錯誤をしてみたいと思っているところでありつつ。
今のところ使い方としては、chatGPTはアイデア出しや素案づくりに限定されそうです。
みなさんももし、



プレゼン資料づくりがしんどい…



もっと時短したい…
と思っているなら、ChatGPTを“下ごしらえ担当”として試してみると面白いですよ。
その上で、完成度を左右するのはあくまで自分の仕上げ力。
このあたりのバランスがわかってくると、AI時代の新しいプレゼンづくりの形が見えてくるんじゃないかと思います。