なぜ日本はAI導入率が低いのか。怒る会社員をみたら理由がわかりました。

AIを使った業務効率化に関心を持ち、日々研究をしています。

自分の会社でもAI導入の話が出たのですが…

結論、すんなりと決まりませんでした。

日本ではAI導入率が低い、なんて話もよく耳にしますよね。

まさに、その理由を目の当たりにしたなと。

多くの企業でありえる話かもしれないので、リアルな体験談として共有させてください。

目次

日本でAI導入率が低い理由

さて、さっそく本題。

職場でついにAI導入…というところで、ダメだった話です。

理由を聞くと、どうやら「AIを入れれば人員が削られるかもしれない」と感じる部署が猛反対しているとのこと。すんごい怒ってるわけです。

みなさんの会社で考えると、いかがでしょうか?

たしかに、今までの仕事を「今日はもう必要なくなったので終わりです」と急に切り捨てられる恐怖は、当事者にとって相当大きいのかもしれません。

実際、導入が見送られた背景には、

「AIに任せられる仕事が増えれば、人が要らなくなる」

という不安だけでなく、

「慣れ親しんだやり方を変えたくない」

という気持ちもあると感じました。

長年かけて築いてきたフローを、大幅に変えるのには相当なエネルギーが必要です。

もっというと、日本は上からの命令だけで簡単にリストラを進められるわけではありません。

AI導入率が低いのも納得というか、この問題を解決するのはなかなか難しそうだなと思ったのが本音です。

AIを導入したくない現場の本音

最近「料理×工事現場」のAI画像がバズってたのでとりあえず真似する

海外ではすでにAIを用いた業務効率化が当たり前になっているところも多いと聞きます。

そう考えると、日本だけが従来のやり方に固執し続けた場合、いずれ大きな差が開いてしまうのでは…という懸念もありますよね。

なんか最近、いいニュースがないから余計に。

実際、日本国内でも、競合他社がAIをうまく使ってスピードや質を向上させてきたら、こういう(僕が勤めているような)会社では対抗できないんじゃないかなと。

正直なところ、技術的なハードルよりも、人の意識や社内調整の問題が大きく影響しているのは確かだと思います。

職場には多様な意見の人がいて、一人ひとりが自分の将来や労働環境を守るために抵抗するのも自然な流れ。

実際の声をピックアップしてみました

具体的にどういう考えがあってAI導入に苦手意識があるのかを調べてみました。

1. 仕事を奪われるのが怖い

AIが入ってきたら、私の仕事がなくなっちゃうんじゃないかって不安なんだよね。ずっとやってきたことが機械に取られるなんて、想像しただけで嫌だ

2.人間らしい関わりが減りそう

AIって便利かもしれないけど、職場の雰囲気とか仲間との雑談が減る気がする。冷たい感じにならないか心配だ

3.使いこなせる自信がない

正直、テクノロジーに疎くて。AIなんて使えって言われても、どうすればいいか分からないよ。覚えるの大変そうだし、ストレス溜まりそう

4.ミスした時の責任が曖昧になりそう

AIが何か間違えたら、誰が責任取るの? 私たちが尻拭いする羽目になるなら、そんなリスク背負いたくないよ。人間がやってる方がまだ安心だ

5.プライバシーが守られるか不安だ

AIってデータ収集するでしょ? 仕事の内容とか個人情報がどこかに漏れたりしないか心配。監視されてるみたいで落ち着かない。

人を活かすためのAI導入を考える

ただ、AIの進歩は止まりません。

今は「めんどくさそう」と敬遠している人も、いずれは「これを使わないと作業が追いつかない」という局面に来るかもしれません。

スマホを使っていない人がほとんどいないように、AIを使ってないのは「時代遅れ」と揶揄される時代はもう近いと言っても過言ではないと思います。

思うに、大事なのは「AIを導入すると業務が効率化する」という一面だけでなく、「導入した場合、既存の人たちをどう活かすか」を同時に考えることではないでしょうか。

たとえば手作業が不要になったとしても、そこに従事していた人が新しい役割にチャレンジできる環境を作れば、AIが“人を切るため”の道具にはなりません。

その点、削った人員で新規事業をおこなう!と構想しているDeNAの南場さんはさすがだなと。AI導入率が低い日本を変えるには、こういう考え方が必要なんだろうなと思います。

参考記事:DeNA南場智子が語る「AI時代の会社経営と成長戦略」(外部サイトへ)
https://fullswing.dena.com/archives/100153/

大企業ほど慎重になりやすい理由

これまで時間のかかっていたタスクをAIに任せると、想像以上に早く終わるという驚きがあるかもしれません。
一方で、AIを導入するコストやセキュリティの問題、データの扱い方など、課題も多いのが現実です。

例えば、僕の知人が働く大手メーカーでは、AIを活用した顧客対応システムの導入が検討されたものの、結局見送られました。

理由は、「長年続けてきた顧客対応のフローが崩れる」 という現場の不安でした。

特にベテランのカスタマーサポート担当者たちは、

「顧客との関係は数字だけで測れない」
「AIに対応を任せるとクレーム対応が雑になる」

と懸念を抱き、結果的にAIの活用は部分的なデータ分析にとどまったそうです。

また、ある大手金融機関では、社内文書の処理やデータ入力の自動化を進めるプロジェクトがありましたが、

「今のやり方に慣れているし、新しいシステムを覚えるのが面倒」

という理由で、導入後も手作業に戻してしまうケースが多発。

最終的にプロジェクト自体が縮小され、AIシステムはほとんど活用されなかったそうです。

技術的なハードルよりも、「慣れ親しんだやり方を変えたくない」という心理的な壁 のほうが大きいのだと痛感しました。

さらにさらに、

最近ではAIを活用したCMやポスターがSNSで炎上するケースも相次いでいます。

たとえば某飲料メーカーの広告が「AIで生成されたものでは?」と疑われ、

「クリエイター軽視だ!不買運動だ!」

と批判が集まり、企業が釈明に追われた事例もあります。

どん兵衛のCMのようにそれで売上が伸びた事例もあるにはありますが…
画像引用:https://toyokeizai.net/articles/-/859513?display=b

炎上の原因は、「AIの活用そのものが問題」 ではなく、「どう使ったのかが不透明」 であることが多いのですが、企業にとってはリスク管理の観点から慎重にならざるを得ません。

こうした現場の反応や社会の風潮を見ていると、日本でAI導入が進まない理由は、単なる技術的な問題ではなく、「変化への抵抗」「炎上リスク」 といった心理的・社会的要因が大きいのではないかと感じます。

小さく試してみる導入のヒント

このままAI導入が遅れたら、長期的に見て本当に無駄な時間を過ごすのではないかと僕は思います。

だって、世界的にはすでにAI活用が標準になりつつある。活用の幅が今後さらに拡大していくのは明らかです。

だからこそ、少しずつでも良いので、まずは小規模のチームやプロジェクト単位で導入を試みるのが現実的だと思います。

例えば…

ステップ実用的な導入アイデア具体例・実際の事例
① 簡単な業務の自動化ルーチン業務をAIツールで効率化Google Workspaceの自動化(メール返信・スケジュール調整)を一部の部署で試す
② データ分析・可視化AIを活用して業務データの分析を行うECサイトの売上データをAI分析し、販売予測レポートを自動生成する(例:ShopifyのAI分析)
③ 顧客対応の一部AI化チャットボットや音声AIを活用FAQ対応にChatGPTベースのカスタマーサポートを試験導入(例:LINEのAI応対サービス)
④ クリエイティブ業務の補助文章作成や画像生成をサポート広報用のSNS投稿をAIライティングツールで作成し、最終チェックは人間が行う(例:CanvaのAIテキスト生成)
⑤ 限定プロジェクトでAI活用AIを活用した新規事業を試験運用AI議事録ツール(Notta, Otter.ai)を導入し、会議記録の作成・要約を効率化

最初から全社導入を掲げると反発も大きいので、まずは「この業務だけAIでやってみましょう」という形で導入し、効果を確認する。

成果が見えれば社内の理解が進んで、抵抗感も薄れていくのかな・・

日本のAI導入率が改善されるために

はっきり言って、日本の導入率が低い問題はそんな簡単に変わらないと思います。

だってうちの会社もしばらくは無理そうな空気ですもんね。

絶対やったほうがいいのに、導入されないんだろうな…。

そんな残念な気持ちでAIと向き合っている方も多いんじゃないでしょうか?

変化を受け入れて生まれるメリットと、変わらないことで失うかもしれない機会。

そのバランスを理解し、納得のいく形でAIを取り入れる道を探していくことが、これからの時代に求められている気がします。

ということで、AIの導入に関するリアルな現場の温度感でした。

こうしたテーマについて話し合い、実践し、また調整する。

その繰り返しで、少しずつでも前向きに「AIと共存する働き方」を築いていければ理想的ですね。

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